(4) Ermitaの外国人について

図 10: Ermita Catholic Church外観
(2003.5.19. ErmitaのFiestaの様子)
 実はインタビューの数日前、酒場で外国人観光客が暴れ、店員の女性が怪我をするというちょっとした事件が起きた。そこでErmitaに外国人が多いことについての問題点などを尋ねてみた (※1)。Chair Manは「外国人がこの街に大勢いることは、この街にとっていいことだ。なぜなら彼らの外貨はこの街を潤す。」外国人が起こすトラブルについては「多少のトラブルはあるが、微々たるもので、それほど重大なことではない」と語った。

 現金といえばそれまでだが、あの街を切り盛りするたくましさを感じたし、外国のものでも、使えるものなら何でもそのまま使うという姿勢がうかがえる。


(5) Ermita Catholic Church
 A. Flores沿いにはErmita Catholic Churchがあり、Ermita Catholic Schoolが併設されている。この奥にコンクリートの運動場のようなものがあり、ここには2台のゴールと、正規版コートがある。筆者は、なぜ、この施設を住民に開放しないのかと疑問に感じていた。インタビューに拠れば、基本的にスクールの人間以外の利用は禁じられており、ゲートも閉ざされている。以前、このコートを周辺住民に開放していたらしいが、その際、学校生徒と、周辺住民側で、何度か喧嘩騒ぎがあったため、以後、解放しなくなったそうだ。

 ここまで、筆者の住んでいたBarangayのストリート・バスケットボールを巡る風景をスケッチした。そこには、昔ながらの下町の風景と、そこに流入する多様な外国人、住宅問題、学校、教会と周辺住民の関係、そしてそれらの背景となるBarangayというコミュニティーなどを概観した。次に、Ermita周辺地域に目を向けて、路地裏のバスケットボールが、どのような状況でプレイされているかを紹介する。

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-------脚注---------

  1. という筆者自身、外国人である。その点については、気兼ねなく語って頂くようにお願いしたが、本人を目の前にしては、言いにくいこともあっただろうと想像できる。
  2. 投稿者 MMG : 11:51 | -